<サーヴァント召喚>


 聖杯戦争はマスターがサーヴァントを召喚しなければ行われ得ません
 ここではそのサーヴァント召喚を行うルールについて説明します。
 
 PC、NPCを含め、サーヴァントの召喚手続きは基本的に共通である。PCもNPCも、各自判定してサーヴァントを呼びだすことになります。
 まず、基本的には召喚には、サーヴァントとなる英霊が生前に残した遺品を探しだし、それを触媒として使用する事でその英霊の召喚を狙う「触媒召喚」と、
 触媒を使用せず、自分と似ているか自分との相性や因縁が良い英霊を召喚しようとする「単独召喚」の二種類に大別されます。
 触媒召喚には英霊を選んで召喚できるというメリットがあるが、その分時間がかかる。単独召喚は英霊を選べないが、その分早く召喚が出来ます。
 
 早く召喚する事がどういう意味を持つかというと、つまり、先に召喚したもののほうが、どのクラスのサーヴァントを呼ぶかについてより多くの余地を持つのです。
 どのクラスのサーヴァントを呼ぶかについては、早い者勝ちとなります。召喚方法の決定と召喚の判定に関しては、この順番決めも関わってくるのであります。
 
 以下に、実際の判定手順を掲載します。
 
 まず、触媒召喚を行う場合は「魔力」ステータスと「社会」ステータスで判定を行い、達成値の合計を合計達成値として算出。
 単独召喚の場合は、「幸運」ステータスと「魔力」ステータスで判定を行い、達成値の合計を合計達成値として算出。
 これをまず全マスターがどちらにするか選択し、選択後判定します。尚、この際、魔術スキルを所持している場合は、魔術スキルによるダイス判定プラス(詳細は<スキル><スキル詳細一覧>を参照願います)を行うことが出来ます。
 そして結果が出揃ったら、まず単独召喚を行う者の中で一番合計達成値が大きかったものが召喚を行い、以下、合計達成値が大きい順に召喚を行っていきます。
 そして、単独召喚を行う者が全員召喚を終えたら、触媒召喚を行う者の中で一番合計達成値が大きかったものが召喚を行い、以下、合計達成値が大きい順に召喚を行っていきます。
 達成値が同一の場合は、同一のもの同士で幸運ステータスを使って対抗判定を行う。どちらかが勝つまで繰り返し、勝った方が先に召喚します。
 尚、後述の<戦闘ルール>に記載されている幸運ステータスによる振り直しは、この召喚判定でも有効です。ちなみに、例外的に召喚手続きが終わった後で、一日が経過したものとして幸運による振り直し回数は回復します。
 (これにより、幸運ステータスによる振り直しの特徴上、達成値が0で召喚そのものが失敗するという事はなくなります。詳細は<戦闘ルール>を見てください)
 そして、単独召喚を行った者の召喚判定はここで終了。単独召喚を行った者のサーヴァントは、性格属性がマスターと同一のGMが予め用意したサーヴァント候補から、話が面白くなりそうなものをGMが任意でチョイスして決定されます。
 それに対し、触媒召喚を行う判定の場合、ここから更に、自分の召喚順番が来た段階で召喚可能なクラスのサーヴァントの中から、召喚対象を選んでいく判定が加わります。
 まず、どういう候補の触媒を集めるか、条件を一つ決めます。特定のクラス(この場合、現在の段階で選べるクラスから選択する形になる)、特定の性格属性、特定の性別、特定の能力タイプ(敏捷が高い、宝具が高い、等)等。
 すると、GMがその条件にあうサーヴァントの触媒を複数纏めて提示。その中から、触媒の名称、形状などをたよりにマスターがどれを選ぶか判断し、指定した触媒で召喚を行うと、その触媒に縁を持つ英霊が召喚される、という形となります。
 (つまり、例えばセイバーを条件とした場合、セイバーの枠で召喚される英霊用の触媒が複数個出て来て、その中からどれか一つを選ぶことで英霊が決まる、となるわけです)
 
 そして上記二種を基本として、追加ルールとして「家伝触媒召喚」と「継戦」というものが追加で存在します。
 「家伝触媒召喚」は、マスター専用スキル「伝承保菌者」によって取得した宝具を触媒として使用するか、常備化ポイント(詳細<ステータス>社会スキル参照)を(召喚サーヴァント・ランクLv-6)÷2(切り上げ)点使用する事で、PC作成時に(つまり単独召喚を行う者たちよりも早く)触媒をチョイスし取得し、召喚するサーヴァントを指定する事を可能とする召喚です。
 触媒召喚のメリットと単独召喚のメリットを併せ持つ変わりに、PC作成上のリソースを消費する、という召喚方法というわけです。演出的には、家が英霊の子孫であったとしても良いし、家族にかつて聖杯戦争を行い英霊を召喚した者がいたから触媒が残っていた、立場が上の者から譲り受けた、前世の因縁で触媒が手元に来た、本来他人が手に入れる筈の物が誤配送されてきた、等、ある程度自由に設定して可とします。
 尚常備化ポイントで取得した触媒を、礼装としての効果も持つという形にしたいときは、基礎の「(召喚サーヴァント・ランクLv-6)÷2(切り上げ)点」に、礼装として本来必要なポイントの半分(切り上げ)を+することで、同時に礼装としての機能も持つようになる、とします。
 但し、「家伝触媒召喚」を行う場合、触媒となる宝具や礼装の装備としての効力はGMが召喚されるサーヴァントに合わせ指定する形となります。キャラクター作成時にGMと相談し、GMは適宜裁定を下してください。
 
 「継戦」は、<イレギュラー表>で「4.継戦者」が出た時のみ選択可能で、GMが許可したPCかNPCのみが選択出来る、とします。
 「サーヴァントLv-6点の常備化ポイントかFP」を支払う(支払ったFPはキャラクターシートに「スキル:継戦者・1Lv1FP、スキルレベル+6ランクレベルのサーヴァントを開始前から従えている」と表記します。)
 (場合によっては「FP支払いでなければならない」や「特定の設定やランクやスキル所持していなければならない」等の条件をGMが指定する事も可能)
 事で、サーヴァントのデータを見たうえで設定と兼ね合わせそのサーヴァントが居るかを選ぶ事が出来るものとします。
 また、「継戦」者はGMが任意の範囲で前回の聖杯戦争やその土地の聖杯戦争のシステムに関する情報などを教えて構わないものとします。
 
 召喚そのもののタイミングは「家伝触媒召喚」は単独召喚と同じ区分で達成値によって順番が決まり、「継戦」は単独召喚が開始される前から召喚済みとして扱い、恩恵として第一日開始前に追加で1行動ターンを得て行動を行う事が出来ます。
 
 他、召喚に関わるルールとして、戦闘開始後の召喚(詳細は<戦闘ルール>参照)においてフェイク・サーヴァントを召喚する場合、最初の召喚判定の時に追加召喚用の触媒を合わせ2個の触媒を調達しようとする場合、最初の一日の1行動ターン目(詳細は<戦闘ルール>参照)の間サーヴァントをまだ召喚していない状態となり、最初の一日の2行動ターン目で最初の1体のサーヴァントが召喚されるものとします。
 更に戦闘開始後の召喚(詳細は<戦闘ルール>参照)において、キャスターがフェイク・サーヴァントを召喚する場合、キャスターそのものを触媒とし生前のキャスターに縁のあったサーヴァントを召喚することも、生前縁のある英霊が居れば可能、とします。
 その際、特に消費や消耗等は発生したりはしません。戦闘開始後の召喚の詳細については、<戦闘ルール>を参照してください。
 
 尚、召喚の追加ルールとして、「運命遭遇召喚」という、あえて召喚実行を一番最後、実質聖杯戦争開始後少し経過したGMの任意の時間帯まで遅らせる召喚も可能です。
 これらは、イメージ的に「聖杯戦争に無知なキャラクターが巻き込まれた」シチュエーションを再現するルールだと思ってください。
 (但しこのルールは複数PCプレイでも不可能ではありませんが本来ソロプレイ想定ですので、GMは使用を制限してもかまいません)
 この召喚法はルール的には基本は「家伝触媒召喚」「単独召喚」「継戦」の任意のどれかで、そしてこの場合GMは既にサーヴァントを召喚していた他チームで、召喚シーンに「聖杯戦争に巻き込まれる」イベントを起こします。(戦闘などをも含むイベントでも、演出のみのイベントでも可です)
 そのイベントの影響を受ける、召喚順番が遅れる、というデメリットを得る変わりに、「運命遭遇召喚」は、基本ルールの「家伝触媒召喚」「単独召喚」「継戦」に加え、それぞれ以下のメリットを得る事が出来ます。
 「家伝触媒召喚」の場合、先にサーヴァントを予約できるというメリットを保った上で、召喚触媒取得にかかるポイント(伝承保菌者に必要なFPや礼装取得の常備化ポイント)が半分になります。
 「単独召喚」の場合、召喚順番が早めになるメリットが「召喚が遅くても可能な範囲(マスターの人数やイレギュラーサーヴァント等、GM次第)で相性の良いサーヴァントが確保される」というメリットに変化した上で、召喚可能な範囲で相性がいいとされた候補の中からサーヴァントの外見や相性をある程度知った上で特に相性がいいと思われる者を選んで召喚出来るものとします。
 「継戦」の場合、「追加で1ターン行動を取れるようになる」というメリットが「実際に聖杯戦争に巻き込まれるまでの間に(偶然情報を得る・偶然アイテムを得る等等内容はGM次第だが)有利なイベントが1個起きる」というメリットに変化した上で、「常備化ポイント」or「FP」ではなく「装備ポイント」or「HPorMP常時消費(例えば6点をHPに2点MPに4点等両方に割り振りも可能)」を代償にして契約できるとします。
 但しこれら三種に共通として、イレギュラー票の出目次第では、召喚が遅れた結果既に他のマスターが、指定したサーヴァントが本来入るべきクラスのサーヴァントを召喚してしまい、指定したサーヴァントではあるがイレギュラークラスに変化している、等とGMはしても良いものとします。無論その逆で、他のマスターにイレギュラークラスを掴ませてもかまいません。
 尚、一人が運命遭遇召喚を行った場合他の参加者は既にある程度行動を進めている状態となるわけですが、複数PC制の場合先にセッションを進めておいて後から「運命遭遇召喚」を行ったPCが入りこむ、という形になります。
 ソロプレイの場合、それまでの聖杯戦争がどうなっているかはGMの任意とします。ある程度各チーム間の交戦が進んでいる状態としても良いですし、開始直後でまだ各チームお互いの情報を殆ど持っていない状態としてもかまいません。
 
 基本的に、以上が召喚ルールですが・・・但し、PCが動かすサーヴァントがいる場合、状況は若干異なってきます。何となれば「召喚されませんでした、さーせん、またの機会で」というわけにはいかんからです。
 PCが動かすサーヴァントがいる場合、他PL、GMと相談の上で、任意のPC、NPCが、単独召喚、家伝触媒召喚、継戦のどれかで、PCサーヴァントを召喚するものとします。
 また、PL、GM間で同意が取れている場合、ソロセッションでも上記のようにある程度相談の結果任意の決定としてもかまわないものとします。

<キャスターによるフェイクサーヴァント召喚>

 尚、キャスタークラスのサーヴァントは、聖杯戦争中の行動ターンに「イレギュラー・フェイク」クラスのサーヴァントを追加で召喚し自陣営の戦力として加えることが出来ます。
 「フェイク」は、ある意味、存在だけでもかなり強力な存在です。一陣営にサーヴァントが二人、下手をすればそれ以上、というのは。
 ・マスターの令呪はフェイクを召喚しても増えず、キャスター等サーヴァントがフェイクを召喚してもサーヴァントが令呪を得る事は無い、マスターは2体(以上)のサーヴァントを令呪3つで御さなければならない。
 ・フェイクもMPを消費する以上、マスターはサーヴァント2体分のMP・HPの回復について面倒を見なければならない。
 上記二種の観点から、負担もまた増えるわけですが・・・それを鑑みても尚、フェイク所持が強力であるとマスターが判断する場合。
 原作の「フェイク・アサシン」・・・佐々木小次郎の如く、特定の場所の守備から移動できない、というような、何らかの制限を課するようなスキルの取得を課すか、あるいは、バーサーカーの狂化スキル(後述)のステータス強化のメリットが無いもののような、仮に「偽物」スキルとでもしておくか、MPを存在しているだけで消耗して維持が大変となるスキルの取得を義務付けるとか、初期データを元となるクラスよりある程度弱体化させるか。
 そのような制限を掛ける事を、GMはゲームバランスをにらみつつ行う事を許可する、とします。
 ここでは「イレギュラー・フェイク」の召喚のデータ的処理について記載します。
 聖杯戦争が始まった後で、サーヴァント召喚用の触媒を確保するのには、睡眠時間を除いた1日=3行動ターンが必要、とします。
 (家伝触媒召喚や単独召喚なら準備は不要、最初にサーヴァントを召喚する時に2個の触媒を確保する場合に関しては<サーヴァント召喚ルール>を参照してください)
 そして召喚自体は、準備に1行動ターン、召喚に1行動ターンの、合計2行動ターンを消費する事で行われます。
 判定は触媒召喚か単独召喚かに応じて<サーヴァント召喚ルール>による開始時の召喚と同じく行いますが、召喚順番を巡って達成値で競い合う必要が無いので、判定が成功してさえいれば召喚は成功します。
 万が一、幸運ステータスによる振り直しを使い果たしていたなどの理由で判定が全失敗した場合は、その時は召喚がうまくいかなかったということで、もう1行動ターン使ってやり直し、という形になります。


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