聖杯戦争の運営

 聖杯戦争の運営指針をここに記述します。

▽基本的に

 第一次月詠聖杯戦争が、オーソドックスな聖杯戦争の例として相応しいでしょう。それを参考にするために、読了しておくことをここに推奨します。

▼聖杯戦争の作り方

▽サーヴァントとマスターの用意

 GMはPC以外のサーヴァントとマスターを用意しなければならない。そのための指針をここに記述する。
1)PCと行動を共にする同盟相手を参加者の中に入れておこう!
 Fate/SNにおける遠坂凛と衛宮士郎のような、元から知り合いである、普通にいい人だったりするなどのような、PCたちと協調して行動するマスターを予め配置します。これによりGMは彼らを通してPCの行動を制御することが可能となります。
 PCに取っても、孤立無援な状態で戦争を続けるのは困難です。仲間が入れば、戦術にも幅を持たせられるし、何より寂しくありません。
 また、サーヴァントとマスターだけでなく、個人的な友人、幼なじみ、恋人、肉親といった存在が聖杯戦争にいれば、戦いぬくためのモチベーションも保てます。

2)民間人に害を与える邪悪な陣営を設定し、善陣営の交流の足がかりにしよう!
 遠坂凛、衛宮士郎など、民間人への被害を黙認できない陣営をそれなりに配置している場合、短絡的に暴れ、民間人に対する被害を出している陣営を設定することを推奨します。
 彼らの排除は善陣営の最優先課題となります。初手の交流の足がかりにピッタリです。ここから聖杯戦争の基本的な関係性を策定し、PC達にNPCのキャラクターを把握させましょう。
 また、討伐令を出すことで、善陣営以外の活動を抑制し、善陣営の交流をさらに加速させることも出来ます。
 PCが善陣営でなく、他人の被害に無関心なキャラクターである可能性もあります。
 その場合、0日目などの、聖杯戦争発生前の日常シーンを挟み、参加者でも魔術関係者でもない一般人の友人や、肉親、恋人といったNPCとの交流をしておくといいでしょう。これにより、邪悪な陣営による被害に、その知人が巻き込まれることで、モチベーションを発生させることが可能となります。

3)悪役陣営を複数用意し、段階的なゲームメイクをしよう!
 あらゆるゲームにおいて、いきなりバトル・ロイヤルするのは難しいでしょう。また、聖杯戦争はとにかく長いです。1セッションがショートキャンペーン並であり、また途切れません。成長や経験値算出もないため、プレイヤーは目標を見失いがちになり、息切れする可能性があります。
 なので、短絡的に暴れまわる陣営、陰謀を企む陣営、ライバル的陣営、ラスボス陣営と、別々の属性を持つ敵陣営を配置する事で、「PCが主に敵対していく陣営を段階的に構築する」必要があります。
 これにより、短期目標、つまり現状敵対する陣営を倒すという目標を1つずつ順繰りに処理する形となり、通常セッションのような区切りを、GMの手でコントロールすることができるようになります。

4)サーヴァント同士に相性をつけよう!
 ここでいう相性とは、戦闘などによる相性です。
 例えば「Aには強いがBには弱い」「普通の手段では恐ろしく強いDを倒せるのは意外にも弱いEである」などのような、サーヴァント同士のじゃんけんのような相性優劣をつけることで、情報収集の価値を強め、戦略策定が楽しくなります。

5)プレイヤーキャラクターと縁のあるNPCを用意しよう!
 PCと縁のあるNPCは、いればいるほど展開が派生し、またモチベーションが上がります。敵対者であれば仇となり、好意的関係ならば助けるべき相手となることで、モチベーションを高めることができるでしょう。
 できるならば、最初に脱落する予定の悪役陣営以外のほとんどの陣営に、PCの誰かとの縁を設定しておくのが理想です。こうすることで、他マスターやサーヴァントとの接触や対処を前向きに検討してもらえるようになるでしょう。

6)NPCマスター同士でも因縁を設定しよう!
 聖杯戦争には多数の人間が関係し、またPC達の見えないところでもマスター同士での物語が発生しているのです。それらを設定することで、イベントを起こし、聖杯戦争のコントロールの一助とすることができます。
 PCに対しNPCが助力を求めに来たり、また逆に戦いを挑まれたり、また逆にPCの見えないところで陣営を減らしてGMの労力を低減するなど、聖杯戦争の運営に利用しましょう。

EX)サブヒロインをばらまこう!
 聖杯戦争も華やかな方が好ましいです。原作からしてそもそもヒロインクラスが複数人存在します。基本はメインのヒロインルートをプッシュしつつ、サブヒロインの交流を加える事は、セッションの良いスパイスとなるでしょう。
 また、難易度の高い展開として、サブヒロインのうちの1人を、何らかのイベントが発生した際に、固有の理由により敵対勢力化するなどを入れることで、上記3)の段階的ゲームメイクにも利用できます。

▽実際の聖杯戦争中の運営

 聖杯戦争の運営は、多数のサーヴァントやマスターの行動を、GMが1人で管理しなければなりません。それらに関する助言をここに記述します。
1)1日目をチュートリアル期間にしよう!
 1日目は、PCもNPCも負けても脱落しない、チュートリアル期間にし、他サーヴァントやマスターとの顔見世や、手加減した手合わせなどを行う期間にしましょう。
 こうすることで、戦闘や判定の仕方を確認し、さらに敵サーヴァントがどれくらいの強さなのか、体で実感し覚えることができます。また、ここで因縁を発生させることができれば、今後の聖杯戦争の1つの目的や指針となり、セッションを運営する一助になるかもしれません。
 この期間中に出すべきサーヴァントやマスターは、ライバル陣営か、同盟予定の陣営が良いでしょう。
 また、監督役に接触し、聖杯戦争のルールを教授してもらうのも良いかもしれません。
 ・0日目をプレイする。
 聖杯戦争発生前の、前日談的な日常シーンをプレイさせることで、モチベーションを発生させます。一般人の友人知人を登場させ交流することで、戦う理由を得させることができるかもしれません。
 また、チュートリアルも0日目で行ってしまえば、聖杯戦争1日目から全力で開始することも出来ます。当然1日目をチュートリアルにして、ゆっくりプレイすることもできるでしょう。そのほうがお勧めです。

2)討伐令で聖杯戦争をコントロールしよう!
 討伐令は、規約違反ややり過ぎた陣営に対して行われる監督役からの制裁です。形だけとはいえ全参加者の、討伐令の対象以外との戦闘を禁ずるため、聖杯戦争のコントロールにはもってこいです。
・討伐令を出す。
 Fate/Zeroにおけるキャスター組のような、魔術隠匿を考えず、短絡的に大暴れする組がある場合、彼らに討伐令を下すことが出来ます。
 討伐令中は戦闘が抑制される傾向にあります。他のサーヴァントとの平和的接触が期待でき、顔見世や、関係性の確定などが行えるので、序盤の短期目標の策定として相応しいでしょう。
 また、討伐令ではボスが設定されるため、ボスを倒すという分かりやすい目標が設定できるのも魅力的です。

・討伐令を出される。
 逆に、PCの同盟相手に討伐令が出されるというのも1つの目標として素晴らしいです。監督役は善人とは限らず、また参加者の1人であることすらあります。そういう場合、策の1つとして、PC陣営に討伐令が出されることもあり得ます。
 この場合、友好関係や同盟関係の強化が期待できます。中盤当たりに発生させるのに相応しいイベントになるでしょう。
 目標は、討伐令解除となります。監督役を説得する。監督役を倒す。討伐令が出ていてもいなくてもいいぐらいに他勢力を弱体化、撃滅するなど、いろいろな手が考えられます。この点でも聖杯戦争に慣れてきた中盤辺りに相応しい展開といえるでしょう。

▼マスターやサーヴァントの作り方

 GMやPLはマスターやサーヴァントを作成しなければなりません。その助けとなる可能性のある進言をここに記述します。

▽大前提

 基本的にサーヴァントはマスターより圧倒的に強いです。サーヴァントと互角にやりあうマスターはイレギュラーな存在です。
 これはサーヴァントより強いマスターを作成することを禁ずるものではなく、また通常マスターより弱いサーヴァントを作成することを禁ずるものでもありません。

▼PCの作り方

1)GMとの相談をしよう。
 このシステムは、通常のTRPGにおいて存在するバランスという枷はありません。強く作ろうと思えば際限なく強く作れてしまいます。なので、PCを作る際は、GMと相談しながら作成しましょう。
 また、GMはプレイヤーがキャラクターを作成する前に、それなりの制限を提示するのもよいでしょう。例えば、ダイス数上限や、マイナススキル制限などです。

2)成長の余地を残そう。
 「成長性」スキルを取得したり、FPや常備化ポイント、宝具ポイントをわざと残しておくなどして、セッション中にデータを変更できる余地を残しておきましょう。
 聖杯戦争にレベルアップの要素はありません。キャラクターが完成したら、それ以上のデータ変更は基本できないため、セッション中に詰んでしまう可能性があります。そういう状況に対応するため、成長の余地を残す必要があるのです。
 また、物語的にも強敵に相対し、ピンチになった際に成長して逆転するというのは王道で美しいものです。
 マスターの場合は、「成長性」スキルや「運命に抗うもの」スキルを取得しておくのが最も無難で簡単です。また、常備化ポイントを残しておき、勝てない敵が現れた際に装備を改造して対応したりもできます。
 サーヴァントの場合、マスターの魔術能力が劣っている、魔力が足りない、召喚に不備があったなどの理由付けでFPをいくらか余らせておいたり、宝具ポイントを余らせておくことで、成長の余地を作っておくことができます。また、「白化要素」スキルの取れる英霊ならばそれを取得することでも成長の可能性を作ることができます。

▼オンラインセッションでFate/roll diceをする時のサイコロの振り方

▽どどんとふの場合

 判定ダイス数B6<=判定基準値で判定を行えます。○an△で言えば、○B6<=△です。
 敏捷B+武術A++で判定する場合、8an4+15an5なので、8B6<=415B6<=5を振り、出た数値を合計したものが達成値となります。
 8B6<=4+15B6<=5では数値算出が行われないことに注意してください。

▽IRCの場合

 IRCで行う場合、OD TOOLの使用を推奨します。
 OD TOLLの場合、判定ダイス数an判定基準値で判定を行えます。○an△でそのまま判定が可能です。
 敏捷B+武術A++で判定する場合、8an4+15an5で出た数値が達成値となります。

トップへ戻る