行動

 聖杯戦争ではいろいろな行動が行われます。それらをルール的に分類し、記述していきます。

▼主行動

 行動ターンや戦闘ターンを消費して行う行動を、主行動といいます。
 主行動には以下の行動があります。

▽情報収集(主行動)

 サーヴァントを能動的に探索したり、小聖杯の特定、大聖杯の捜索などなど、何かしら隠されていたり知らなかったりする事を調べる行為を情報収集といいます。
 情報収集は、PLは調べたい事柄を述べ、GMは使用可能なステータスやスキルを提示し、そのステータスやスキルによる組み合わせ判定を行い、出た達成値と難易度を参照して情報が手に入ったかどうかを判断します。
 隠れたサーヴァントを探したり、誰かが隠したものを探したりなどの場合、相手が抵抗する場合もあります。
 その場合は、情報収集側のキャラクターと、隠蔽側のキャラクターとの対抗判定になります。

▽回復行動(主行動)

 キャラクターのHPやMPを、スキルによって回復する行為を回復行動と言い、基本的には主行動として行います。
 対象を指定し、回復行動を行います。
 可能な回復行動は以下の2つがあります。

 1)回復効果を持つスキルで判定し、達成値÷2点回復する。
 2)対象を指定して回復効果を持つスキルで判定し、達成値点回復する。その後、スキル使用者は達成値÷2点のMPを消費する。

 判定には使えそうなステータスやスキルを組み合わせて判定しても構いません。
 魔術による回復ならば、魔力+魔術スキルなどです。
 HPを2点、MPを1点回復のように、割り振りは回復対象が自由に行って構いません。

▽戦闘を仕掛ける(主行動)

 戦闘を自分から仕掛けます。即座に戦闘処理に入ります。

▽隠密(主行動)

 身を隠して行動するという場合、身を隠す側は自分の行動を使用して「敏捷or魔力+気配遮断スキル+関係するスキル」で判定します。  他キャラクターが居るところで隠密状態になろうとする場合、ほかキャラクターは行動を消費せず「幸運or魔力ステータスorランクレベル+知覚系のスキル」で対抗判定を行います。身を隠す側が勝てば身を隠す側は隠密状態となり、相手から見えなくなります。身を隠す側が負けた場合見破られ、隠密状態になりません。引き分けの時はどちらかが勝つまで振り直しとします。
 他キャラクターの居ない場所で隠密状態になった場合、基本的に気づかれるのは以下の2つの場合のみです。
 ・他キャラクターが自主的に「警戒する」と宣言し、隠密状態のキャラクターの隠密達成値を難易度とした警戒判定に成功した場合。。
 ・隠密状態のキャラクターが奇襲を行った場合。
 ・隠密状態のキャラクターが、隠密状態でないキャラクターを庇った場合。
 隠密状態で行動を継続している場合、他キャラクターに遭遇する度に隠密判定をし直し、達成値が前回の判定以下だった場合、その達成値に上書きされていきます。隠密判定の達成値が0になった時点で隠密状態は解除されます。


▽奇襲(主行動)

 隠密状態から攻撃を仕掛けます。隠密を行った状態でのみ可能です。
 攻撃側は再度隠密判定を行い、防御側の警戒判定との対抗判定を行います。
 対抗判定に攻撃側が勝利した場合、達成値と難易度の差分が攻撃の達成値にプラスされ、更にその攻撃命中時、差分値を2倍としてダメージを算出します。
 対抗判定に防御側が勝利した場合、達成値と難易度の差分が防御の達成値にプラスされます。
 奇襲を受ける側は、警戒判定を1以上成功していない限り、「庇う」ルールを使用できません。
 戦闘中に奇襲攻撃を行う場合、1行動消費し隠密状態になってからでなくてはなりません。
 戦闘中に奇襲攻撃を行う場合、0以上の任意のIVタイミングで行うことができ、また射程に関わらず任意の対象を攻撃可能です。

▽サポート支援(主行動)

 マスターとサーヴァントが同じ場所にいる際、主行動でサーヴァントを支援することが可能です。
 マスターの行動順番で「魔力」+「魔術系スキル」で判定を行い、最大で「達成値+相性修正(-の場合その分減少する)」点、サーヴァントに[達成値プール]を与えることができます。マスターは「与えた[達成値プール]-相性修正(-の場合はその分増加する)」点だけMPを消費します(最低0点)。
(この判定は、合体攻撃をする、助太刀する、トラップを起動するなど、どうサポートするのか説明できれば他のステータスやスキルでも可能です。この場合でも同じようにMPを消費してください。)
 サーヴァントは自身の判定の際、与えられた[達成値プール]から好きな点数だけ消費し、判定の達成値を増加させることができます。[達成値プール]は0以下になるまで何度でも使用可能です。
 また、マスターは行動を消費し再度[サポート支援]を使用して[達成値プール]に更に達成値を貯めることも可能です。

▽正体看破(主行動)

 マスター基礎能力である正体看破も行動を消費して行います。
 そのサーヴァントの正体がいかなる英霊であるか、真名を知ることを正体看破といいます。
 正体看破を行うか、真名を知らない限り、自身のサーヴァントであってもデータを見ることはできません。
 正体看破はマスターのみが使用可能です。

・正体看破の仕方
 正体看破は、視認したことのあるサーヴァントを対象にして行えます。
 行動を消費し、
 難易度「12-(サーヴァントランクレベル÷2+判明済み宝具数+(知名度、悪名、ご当地のランク所持数)+特徴容姿スキル+その他演出描写等からのGM修正」の判定を行います。
 使用可能なステータスやスキルは、「(社会or魔力orランクレベル)+(知識系・魔術系スキル」です。
 難易度へのGMの任意の修正は、以下のような、難易度が上昇するものがあります。
 極めてマイナー=-2
 他参加サーヴァントのランクレベル平均が高い=-1~-2
 概念の類や正規の英霊とは言いがたい存在=-2
 元の逸話にない装備を持っている=-1
 伝承と性別が違う=-2
 その他、GMは任意で難易度を上昇させたり下降させたりできます。

▽トラップを仕掛ける(主行動)

 相手を妨害したり攻撃したり、また相手の接近を警戒するトラップを仕掛けることができます。
 まず場所を指定し、起動条件を任意に設定。その後 「ランクレベルor敏捷or魔力+破壊工作スキル+GMの許可したスキル」で判定することでトラップを設置することが可能です。
 トラップには下記の種類があります。
◇ダメージを与える。
 起動条件を満たした対象に対し、仕掛けた際の達成値で、破壊工作レベルを攻撃力とした攻撃を行います。防御は通常通り可能です。

◇ダメージとバッドステータスを与える。
 起動条件を満たした対象に対し、仕掛けた際の達成値で、破壊工作レベル÷2を攻撃力とした攻撃を行います。防御は通常通り可能です。
 攻撃が命中した場合、強度レベルが破壊工作レベル÷2のバッドステータスを与えます。

◇バッドステータスを与える。
 起動条件を満たした対象に対し、仕掛けた際の達成値で攻撃を行います。防御は通常通り可能です。
 攻撃が命中した場合、ダメージを与える代わりに強度レベルが破壊工作レベルのバッドステータスを与えます。


▽長期詠唱

 戦闘時の攻撃や防御等の魔術であっても、行動時のトループ召喚や探索等の魔術であっても、時間を掛けて長い詠唱や儀式を行う事で効果を高める事が出来ます。
 長期詠唱を宣言し効果を高めたい行動と同じ判定を行い、達成値を[長期達成値プール]に貯めることができます。
 [長期達成値プール]を使用することで、達成値をプール分だけプラスできます。
 [長期達成値プール]を使用する場合、まず[長期達成値プール]÷2を難易度として次の行動と同じ判定を行わなければなりません。失敗すれば[長期達成値プール]は破棄されます。
 上記の判定に成功したなら、[長期達成値プール]分だけ達成値をプラスし、MPを[長期達成値プール]÷2点消費します。
 [長期達成値プール]は、使用後全て破棄されます。
 [長期達成値プール]を維持している間、全ての判定に[長期達成値プール]÷2の達成値マイナスを受けます。

▽魂喰らい

 一般人を殺害し、その魂を食らうことで魔力を得る行為を魂喰らいといいます。
 戦闘時には行えません。
 主行動で行い、攻撃と同じ判定を行い、達成値点だけHP、MPが回復します。
 また最大値を超えてMPを蓄積することも可能です。HP、MPが最大値まで回復したあと、残った達成値÷2点分、MPが蓄積されます。
 蓄積されたMPは、6点消費するごとに判定達成値を1点プラスすることができます。行動は消費しません。
 魂喰らいは非常に忌避され、また目立つ行為です。魂喰らい後、その達成値を難易度として「魔力or社会+GMが使用可能としたスキル」で判定し、失敗すると世間が騒ぎ、また他陣営にも魂喰らい行動が露見します。監督役からのペナルティ等が課せられる可能性があります。

▽念話の傍受

 念話中のマスターやサーヴァントの会話を傍受したい場合、行動を消費して傍受をする必要があります。
 傍受対象のマスターとサーヴァントの「魔力ステータス+魔術スキル他関係スキル」判定の合計達成値を難易度とした、「魔力ステータス+魔術スキル他関係スキル」判定に成功することで、念話の内容を傍受することが可能です。

▽睡眠

 睡眠も主行動扱いです。
 睡眠をとったキャラクターはHPが2d6点、MPが最大値まで回復します。
 睡眠中のキャラクターは、そのターン中あらゆる判定(対抗判定を含む)と行動が不可能になります。
 サーヴァントは睡眠を取る必要はなく、また取ることもできません。
 睡眠中に戦闘等で邪魔が入った場合、睡眠はキャンセルされ、行動のみが消費されます。
・睡眠中の警戒
 睡眠中の奇襲を警戒したい場合、予め「破壊工作」スキルで警戒用トラップを設置しておく必要があります。
 警戒用トラップは肉体的主行動を消費し、「使用するステータス+破壊工作スキル+何か警戒系スキル」で判定することで作成可能です。奇襲に対し作成時の達成値で対抗判定を行います。

▽スキルの使用

 スキルの中には主行動を消費して使用するものがいくつかあります。
 それらに関してはスキル詳細一覧を確認して下さい。

▽その他

 その他にも、GMが行動を消費すると裁定した行動は、主行動となり、行動を消費して行います。

▼複数ターン消費する主行動

 複数の行動ターンを消費しなくてはならない行動として、「道具作成」「陣地作成」「フェイクサーヴァントの召喚」があります。
 これらの行動は戦闘時には行えません。
 これらの行動を行った場合、「道具作成(1ターン)」などのようにターンが貯まり、このターンが規定ターンに到達した時に効果を発揮します。これらの行動は、連続して行う必要はなく、朝に道具作成、昼は睡眠、夜は道具作成のように分割して行うことも可能です。
 ターンを貯める行動中、戦闘などでそれらの行動を中断した場合、ターンは貯まらず、行動ターンを消費してしまいます。


▼補助行動

 行動を消費せずに行える行動をここに記述します。

▽アイテムの使用

 財産ポイントや常備化ポイントで取得した消耗アイテムの使用は、行動を消費しません。

▽念話

 マスターと声を出さずに会話する事が出来る能力です。基本的に他の相手には傍受できません。
 もし傍受しようとする場合、行動を消費し、マスターとサーヴァントの「魔力ステータス+魔術スキル他関係スキル」の達成値合計を難易度として、「魔力ステータス+魔術スキル他関係スキル」で判定し成功しなくてはなりません。

▽ステータス確認

 マスターはマスター基礎能力によって、サーヴァントを視認した際に以下の情報を得ることができます。
 1)サーヴァントクラス
 2)ランクレベル
 3)宝具ステータスを除くステータスレベル、HP、MP、IV
 4)宝具以外の所持アイテム

 また、下記の状況時にはそれに対応した情報を、判定なしで得ることが可能です。

◇そのサーヴァントが、自身か自身のサーヴァントに対しスキルを使用した時。
 使用したスキルのスキルレベルや効果を見ることができます。
◇そのサーヴァントが、自信家自身のサーヴァントに対し宝具を使用した時。
 使用した宝具のデータのうち、GMが効果を把握出来うるであろうと考えるデータを見ることができます。
◇そのサーヴァントの全宝具の使用を視認した時。
 そのサーヴァントの宝具ステータスレベルを見ることができます。

▽令呪の使用

 令呪の使用も行動を消費しません。詳しくは基礎能力の▼令呪をご参照ください。

▽霊体化

 人間には見えないが自身のマスターには知覚できる霊体になります。
 霊体化は行動を消費せずに行えます。
 他のサーヴァントとサーヴァント同士一定距離まで接近した場合、あるいは他のマスターがサーヴァントが要るのではないかと疑った時、隠密ルールと同じ判定で居る勝居ないかを調べる事が出来ます。但し、敏捷ステータスは使用できず、また奇襲も行えません。

▽装備の霊体化

 霊体化していない状態で普段から武器防具を装備せずに済むよう、武器防具を普段は部分的に霊体化してしまっておき、使用時に取り出す能力です。
 細かなルールは上記の▼霊体化と同様です。

▽魔力供給による消費MPの肩代わり

 行動ターン中はいつでも、戦闘中はサーヴァントとIVを揃えることで、サーヴァントがMPを消費する時、代わりにマスターのMPを消費することができます。

▽行動を消費すると書かれていないスキルの使用

 行動を消費すると特記されていない限り、基本的に行動を消費せずにスキルを使用できます。

▽その他

 その他にも、GMが行動を消費しないと裁定した行動は、補助行動となり、行動を消費せずに行えます。


▼行動ターン中は行動を消費せず、戦闘中は行動を消費する行動

 戦闘中のみ行動を消費する行動をここに記述します。

▽魔力供給

 マスターは行動ターン中なら行動を消費せずに、戦闘中なら精神的行動として、自身が契約しているサーヴァントのHPやMPを回復することができます。
 マスター側の消費1点につき、サーヴァントはHPかMPを1点回復させることができます。
 これらの魔力供給は、マスターとサーヴァントの距離がかなり離れている場合、効率が悪化します。
 消費に対し回復や肩代わりできるMPやHPが2分の1になります。(マスターの2点消費でサーヴァントは1点回復になる)

▽同乗状態になる。

 誰かの乗騎に同乗する場合、行動ターン中は行動を消費しませんが、戦闘中の場合、行動を消費します。
 同乗状態に関しては詳細個別ルールを参照してください。

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